日刊工業新聞に掲載されました

2014年11月21日

2014年11月18日の日刊工業新聞「飛躍できるか大学発VB」にてアイラボ株式会社が紹介されました。

以下、記事内容の紹介

中小企業にフォーカス 【飛躍できるか大学発VB(54)アイラボ-手書き数式文字をデジタル表示】

 東京農工大学発ベンチャー(VB)のアイラボは、手書き文字の認識エンジンの開発を手がける。特に力を入れているのは、算数・数学の数式認識エンジンも活用した学習ドリル向けだ。教育関連の出版社や塾では現在、教材を紙からデジタルに転換する大きな流れが生じている。少子化で縮小傾向にあるとはいえ、市場は大きい。家庭のタブレット端末(携帯型情報端末)を使った自習ドリルでは、画面上で指を滑らせて答えを書き入れる方式で東京書籍などとビジネス化を推進。塾の電子黒板の表示を図形と文字に分け、検索可能なテキストに変換する技術に関してもニーズがある。

3年前に創業したころは、アップルの「iPad(アイパッド)」人気で、専用ペンを使った手書き入力の技術が普及することへの期待があった。手書き文字からデジタル表示への転換に関して精度が高い同社技術は、スマートフォンのアプリ開発企業に技術移転されることもあった。ところが、その後はソフトウエアキーボードが主流となってしまった。それでも堀口昌伸社長は「発注の帳票など、特定の業務では手書きのニーズが根強い」と指摘する。操作が限定された業務用や、文具としての個人向け手書きメモパッドといった専用端末でこの技術が採用されている。クレジットや保険の申し込みでも使われる。担当者がデジタル画面に基本事項を入力する一方、高齢者らの顧客には手書きによって入力してもらう。合わせて記入漏れを自動でチェックする使い方だ。

振り返ると1990年代のパソコン普及期は「だれもがキーボード入力に不慣れだった」(堀口社長)。このため、手書き入力技術へのニーズ拡大を見込んだ電機メーカー各社はこぞって技術開発に取り組んだ。現在の市場は数社のビジネスなら成り立つ規模だという。フランスに競合相手がいるが、「日本の顧客のカスタマイズ要望にスピーディーに対応するには、外資より当社の方が有利」(同)と強調する。現在、取り組むのは手書き機能を標準搭載する日本製品のアジア言語バージョン。フランス企業が欧州の言語の展開しているのと差別化する。さらに中学や微積分の筆記もある数学ドリルを高校向けに開発中。これまでの約50社とのビジネスを発展させる形で地歩を固めている。

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